【魔法と魔力】
・魔法
超自然的な力であり、誰もが使うことのできるもの。
大昔は限られたごく一部の者しか扱う事ができなかったとされるが、古代の魔道士たちの研究により体系化・術式化され、現在では多くの学校が設立されている。
術式の構築には「魔術論理」と呼ばれるコードが用いられる。魔法を構成する要素を組み立て、最終的に魔力を通すことによって発現させる、という仕組み。簡単に言えば、膨大な単語帳から必要なものを引っ張り出して、意味の通る文章になるよう並び替えるような作業。慣れないものや複雑なものは魔術論理の詠唱=呪文が必要になることもあるだろう。
定型文のように既に術式の確立された魔法は数多くあり、それを使いこなすことができるだけでも段違いであるが、中にはそれを応用、または改造し新しい魔法を創り出そうとする研究者も少なくはない。
魔術論理の組み合わせにより、魔力の具現化される姿は多岐にわたる。水属性を基板とし熱を操る炎属性の要素を足せば氷や熱湯に、風属性を基板とし閃光を司る光属性の要素を足せば雷に……といったように、魔法は様々な属性の魔術論理の組み合わせによって展開される。
高度な上級魔法には、複数の属性基盤を同時に発動させる複合属性魔法が存在する。扱うのは至難の業であり、また消費する魔力も膨大と言われるが、その威力は属性相性の重なり合いにより何倍にも膨れ上がるという。
術式の中でも、相手を傷つけることに特化した「黒魔法」、癒しの力に特化した「白魔法」が存在している。
黒魔法は高温の炎や鋭利な岩石などによる物理的なダメージを与えるだけでなく、相手の魔力属性バランスに異常を与えることが本来の目的となる。バランスが極度に偏ると死に至る。人に向けて故意に発動させることはもちろん禁じられているが、魔法学校では対魔物との戦闘用に履修を希望することができる。
白魔法は術者の魔力を使用し、相手の魔力属性バランスを整えることができる。特にダメージを与えられて偏ってしまった属性の白魔法であれば、効果はより高くなる。傷が癒えるのはあくまで副作用的なものであり、これは白魔法を受ける相手の自然治癒力が一時的に増幅されるためである。それだけ疲労もするので、白魔法は決して万能な存在ではない。
・魔力
全てのものが持ち得るエネルギー。古代語ではエーテルとも。この世界において、元素や電子といった物質を構成するものの一つとも言えるだろう。
溜め込むことが出来る量はものによって様々で、特に吸収しやすいヒトもその例外ではない。時間経過や休息により少しずつ蓄積・回復していくため、健康なヒトであれば一晩眠れば元通りになるだろう。
魔力を使い切った場合、物体は繋がりを断たれるようにひび割れ、最終的には壊れてしまう。ヒトの場合、魔力限界に近づくと強烈な頭痛に襲われ、身体中に激痛、穴という穴から流血、最終的に全身に亀裂が入り崩れて死亡する。余程の強靭な精神力の持ち主でない限り、頭痛の時点で気絶してしまうのが一般的。この時点で魔力はゼロになっていると言えるだろう。
魔法の威力はほぼ統一されているため、個人の魔力量が左右するのは使用の可否のみ。残存魔力量を上回るような魔法は使用できないし、できたとしても生命の保証は無い。言うなれば魔力が少ない=最大MPが低いの意。
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