世界観

　旧大陸“アルカ”の人々がこの大地を発見したのが、約1000年前。新大陸は“エレジーア”と名付けられ、多くの人間族や小人族がこぞってやって来た。

　何百年も続いた戦争に終止符を打ったのが、とある人間族を中心として設立された“クラレント魔法学校”であった。平和の剣の名を冠したこの学校は、種族・民族、信仰・文化、そして生まれに関係なくすべての人々を受け入れ、そして平等に生きるための力──魔法を教えた。

　いつしか学校の周りには人が集うようになり、やがてそれは一つの都市として発展していくこととなる……。

イメージは中世～近世のヨーロッパ。機械はほとんど発展しておらず、精々“からくり”程度。しかし魔法による文明は進んでおり、現在では属性変換機構など様々な研究により生活は豊かになっている。

新大陸の東方に位置する旧大陸はアジアンな文化圏で、さらに東方の「東方群島ソハヤ」と呼ばれる地域は和風的。ごくまれに海を渡り山を越え谷を超え、学園都市まではるばるやって来る者もいるようだ。

種族

【人間族】流浪の民

【小人族】金石の民

【獣人族】山岳の民

【魚人族】海洋の民

【翼人族】天翔の民

【エルフ族】秘密の民

【魔族】妖魔の民

学園都市クラレント

　平和の剣の名を冠した魔法学校を中心に、円形に広がる大陸随一の都会。別名「知識の城」。市壁の外側には穏やかな田園や村も広がっている。

　どの国家にも属さず、どの神を中心に崇めることもなく、多くの種族と信仰や文化が入り混じる。

　魔法を学ぶ生徒たちは学園都市の生まれが大半を占めるが、他国から訪れる者も多い。また両親が卒業生なのも珍しくはないだろう。

　学生だけでなく、冒険者も多く行き交う。様々な地方からの依頼が舞い込むこともあり、情報収集や賞金稼ぎにはもってこいの場所であるからだ。

クラレント魔法学校

　大陸の平和を祈願して設立された学校。魔法だけでなく、生活に必要な知識や対魔物との戦闘技術も教育している。

　大陸一の蔵書を誇る巨大な図書館も併設されており、学校内の施設は学生だけでなく市民であれば誰でも利用が可能。

大通り

　魔法学校から真っすぐ南方に伸びた大通り。

　冒険者ギルドが面しており、商店や露店も多く立ち並び、多くの人で賑わう。

【主な施設】

・冒険者ギルド

　冒険者向けに依頼を斡旋し、報酬などの管理をする組織。主な内容は魔物討伐や素材の採集。報酬は先払いでギルドに預けておく必要があるが、依頼は誰でも可能。一部の依頼の受注は学生向けにも開放されている。

　依頼を受け、学園都市周辺で活動するためにはここで登録を受ける必要がある。

　異世界人が登録をするには、とある人間族に話を通す必要があるらしいが……？

・ロシェ道具店

　課外授業や遠征など、大抵の必要な道具はここで手に入れることができる。クズ魔石の買取や魔力移動も行っている。店長はエルマ・ロシェという女性。賢者アレクの母でもあり、生徒たちとも接する機会が多いため顔が広い。

職人地区

　工芸品や武具など、様々な職人ギルドが立ち並ぶ地区。

　素材の提供依頼が冒険者ギルドに持ち込まれることも多い。

居住地区

　主に学園都市に暮らす人々の家が集う地区。冒険者がここに定住する事も少なくない。

　学生は寮生活か、実家暮らしか、はたまた居住地区の下宿生活か、個人で好きなように選ぶ事ができる。

【主な施設】

・レッドベリー孤児院

　学園都市内にある孤児院の一つ。魔法学校に入学するまでをここで過ごす保護された子供も多い。

学園都市に暮らす人々

地下迷宮探索隊

【ロディ・ヴェルメリオ】

　探索隊リーダー。半エルフの人間族、18歳。

　炎属性の寮長であり、その実力は本物。好奇心旺盛で活発、元気な青年。ただし無鉄砲、能天気、馴れ馴れしいし暑苦しい。

【コレット・ロシェ】

　ロディの後輩。人間族の17歳。炎属性。

　真面目なツッコミ役。何をやっても失敗ばかり、体力も魔力も無い……そんな過去もあったが、今は少しずつ前進しているようだ。兄である賢者アレクのことを嫌っている。

　異世界の存在を知る者であり、持ち歩く本は特別なものらしい。特殊な魔術論理を生み出したようだが……？

【ミルフィーユ・フィアンティーヌ】

　魔族領の貴族フィアンティーヌ家のお嬢様。魔族の18歳、水属性。

　「可憐で聡明、高貴なる者」が前口上。アベリアとルシールは取り巻き。強気で高飛車、意地悪な性格。

　賢者ヴァイオレットの孫娘であり、同じ賢者を親族に持つコレットをライバル視しているようだ。

【カロン】

　魚人族の青年。17歳。

　副リーダーを務めさせられることになった水属性の寮長。とはいえ本人の将来の夢は古代文明の学者であり、遺跡の探索には大変に乗り気。

　手先が器用で絵心もある。地下迷宮の地図は彼のお手製。

【キャラメリカ・ブリクセム】

　小人族の19歳。

　風属性の寮長を務めており、しっかり者で頼れるお姉さん。暴走しがちなロディをたしなめるのは彼女の役目。

　黒魔法の成績はトップクラス。魔物掃討により探索範囲を広げている立役者。

【シェスタ＝ハーフィル】

　山岳地帯、獣人領からはるばるやって来た獣人族の少年。15歳。風属性。

　キャラメリカの後輩であり、彼女の事を姉の様に慕っている。おどおどした内気な性格だが、争いを好まない平和主義者。綺麗好き。

　地下迷宮の拠点整備を担っており、いつも整頓されているのは彼のお陰。なお散らかすのは主にロディとカロンである。

【レヴォネ＝フェイ・アステール】

　翼人族の少女。14歳の光属性。ソアレという双子の弟がいる。

　活発で元気いっぱい、いつでも楽しげなムードメーカー。噂好きでおしゃべり大好き。

　勝手に都市内のニュースを集め新聞を作成する傍ら、探索隊の活動日誌の担当に立候補した。

【ルルシュトリュゼ・フィオン】

　エルフ族の19歳。愛称は「リュゼ」。

　常に気怠げで面倒くさがり屋。興味のある事には人が変わったようにテンションが高くなる。闇属性の寮長を務めているが、本人はよく「辞めたい」と口にしている。ロディに無理矢理勧誘される形で入隊することになったものの、仕事は特にしていない。加点されるらしいから所属したままらしい。

　薬（どく）物研究部の部長も務めており、メンバーに“実験”と称して新薬のテスターを任せることも多々ある。効き目は抜群。どちらの方向にも。

【ネムリ】

　人間族らしき少女。15歳にして冒険者。

　コレットの数少ない友人であり、魔法を一切使う素振りを見せず、時折世間知らずで頓珍漢な発言をする。生意気で誰に対しても態度が悪いが、他のメンバーの事はそれなりに気にしているようだ。

　正体は異世界人。本名を根室理乃といい、地下迷宮の鏡を通してこの世界に迷い込んできた。現在では異世界人向けの窓口にもなっている。

【リコ＝エル・エシェル】

　翼人族、18歳。

　楽天家でカラッとした少女。地属性の寮長であり、後輩たちに頼られるのが好きらしい。魔法よりも肉体派。

　魔力が自然と抜け落ちてしまう「魔衰病」という症状に苦しんでいるものの、陽気な性格は変わらない。

【ラルゴ=デュレッツァ・シュネッタ】

　魔族の青年。19歳。

　~~光属性の寮長。整ったルックスや爽やかな性格から、主に女子生徒から人気がある。武術学科の成績はトップを記録し続けている。~~

　本来の名は「デュレッツァ・ソレシタンド」。魔族領の現指導者であるソレシタンド家の者であり、幼少期から学園都市に潜入、世界の転覆――ならぬ、“世界創造”を行おうとした。探索隊と賢者たちの活躍により彼らの計画は失敗に終わり、彼もまた扇動した者として投獄された。のだが、アレクの計らいで探索隊へ協力することができるように。

　ソレシタンドの名から自由になる、として偽名であったラルゴと名乗る。

【アンジェリカ・クラーク】

　魔眼を持つ魔族の少女。14歳の光属性。

　引っ込み思案でネガティブ。自分の魔力を上手く制御しきれず、不安に思っている。ラルゴに本当の妹のように大事にされているようだ。

【ソアレ＝エル・アステール】

　翼人族の少年。14歳の風属性。レヴォネの双子の弟。

　穏やかで心優しく、偏見を持たない。絵を描くのが好き。レヴォネのことを心配しているようだ。

【アベリア・ベルスーズ】

　人間族。水属性の16歳。

　ミルフィーユの下っ端。実は結構なビビり。地下迷宮には全く興味が無いが、ミルフィーユがとっとと行ってしまったため追うか悩んでいる。

【ルシール・ダフィー】

　獣人族。水属性の16歳。